去年、はじめて
父方の祖母が
平和の礎に刻銘されていることを

うちの母から
聞かされた。


「父ちゃんが生まれた後すぐに
おばあちゃんは亡くなったんだよ」としか語らない父。

こんなに長く家族なのに
多くを語らない。
いや、語れなかったのかも知れない。


でも、今日
思い切って色々聞いてみた。

すると

当時、乳飲み子だった父を抱えて
祖母は、集落の人たちと一緒に
北部へ逃げたこと。

でも、母子ともに
充分な栄養がとれず
母乳を父に与えながら
祖母は、息絶えていたということ。

そんなことも知らない父は
すでに息のない祖母の
おっぱいを力なく吸っていたと
人づてに聞いたこと。。。。

自分の命と引き換えに
我が子の生命をつないだ祖母。

どんな想いで
やせっぽちの父を抱いていたのだろう。
どんな想いで
最期を迎えたのだろう。。。


踏み込んで聞いてみて
はじめて
知ったこともあった。


戦争の記憶って
人のかさぶたをはがすような痛みを
相手にさせてしまうのかも知れない。

でも
聞けてよかった。

じぃじのそばで
おやつを食べていた
２歳の娘が
もう少し大きくなったら
話してあげたい。

あばぁちゃんが
全身全霊で
父を守ったから
私がいて
あなたがいる。